仮想通貨の自動売買botをVPSで動かす方法【詳細手順を解説】

プログラミング 仮想通貨

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あなた

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「仮想通貨の自動売買botを作ったけど、パソコンを終了したらプログラムが止まっちゃうな。調べてるとVPSっていうサーバーとかで動かせばいいっていうのは分かってきたけど、具体的にどうやるんだろう?詳しい手順を知りたいな。」

そんな疑問にお答えします。

仮想通貨の自動売買botをVPS(サーバー)で動かす方法を、実際に使うコマンドも合わせて徹底解説します。

なお、本記事は自動売買で儲けることが目的ではなく、あくまで自動売買プログラミングを楽しむことを目的としています。

ご注意
この記事や本サイトの情報を参考に仮想通貨のプログラムを動かす場合は、全て自己責任でお願いいたします。免責事項に記載の通り、本サイトの情報を参考にして発生したいかなる損害も責任を負いません。

この記事で分かること

  • 仮想通貨の自動売買botを24時間365日動かし続ける方法
  • 自動売買botをVPSで動かす具体的な手順

仮想通貨の自動売買botを動かし続ける方法は2つ

botを動かし続ける

自動売買botを24時間365日動かし続ける方法は、2つあります。

  • パソコンをスリープさせずに動かし続ける
  • VPSで動かし続ける

一つずつ解説です。

パソコンをスリープさせずに自動売買botを動かし続ける

パソコンをスリープさせずに動かし続ける

最初の方法は、超簡単。パソコンをスリープさせずに、プログラムを動かしたまま放置するだけです。

とにかく簡単なのがメリット。自動売買botは重いプログラムではないので、動かし続けてもパソコンの負荷は大きくありません。

…とはいえ、パソコンつけっぱなしにするのって何か精神的にイヤですよね笑

  • パソコンつけっぱなしだと電気代がかかりそう
  • パソコンが止まったら、プログラムも止まる

こういったデメリットがつきまとってきます。一番ストレートで簡単な方法だからこそ、不安も多いです。

VPSで仮想通貨の自動売買botを動かし続ける

サーバールーム

パソコンつけっぱなしで動かし続けるのは不安。そんな時こそ、VPSの出番です。

VPSって何?
-> 仮想専用サーバー。専用サーバーのように、ユーザーが自分でOSやアプリケーションなどをインストールしてカスタマイズできる自由度がある。
引用:さくらのVPS

WordPressのブログとかでもサーバーをレンタルしますよね。でも、その場合は共用サーバーになっていることが多いです。

その共用サーバーとVPSの違いは、ざっくりこんなイメージで理解してみてください。

  • 共用サーバー:同じ部屋で共同生活する
  • VPS:共用スペース+自分の部屋で生活する

共用サーバーもVPSも、物理的には同じサーバーを使っています。でも、VPSは自分専用の場所が用意してあるというイメージ。

その自分専用の場所を自由にカスタマイズして、自動売買botを動かすというわけですね。

VPSのメリット

VPSで自動売買botを動かすメリットは、この3つです。

  1. 電気代がかからない
  2. サーバーOSで安定して動く
  3. 月額も安い

当たり前ですが、自動売買botプログラムをVPSで動かすので、自宅の電気代はかかりません。

さらに、VPSではサーバーOSを使うので、パソコンをつけっぱなしにするよりも安定して動き続けます。

最後にコストですが、どのVPSのサービスを選んでも大体は月額500円前後。自動売買が一回でも成立すればすぐにカバーできてしまうほど安いですね。

VPSのデメリット

もちろん、VPSを使うにもデメリットがあります。

それは、サーバーを扱うのが初めての場合だと使い方が難しいという点。デメリットというより、最初の壁みたいな感じでしょうか。

例えば、VPSにSSH接続でログインするとき、ターミナルでこんな感じのコマンドを使います。

ssh -p 22 user@111.222.333.444 -i ~/.ssh/id_rsa

22はポート番号、userはユーザー名、数字はIPアドレス、id_rsaはSSH鍵、という意味です。

初めて見る人にとっては意味不明かもしれませんが、そんな時はサーバーの知識が身に付く!と前向きに考えちゃいましょう。

過去に一度でもLinuxやサーバーを触ったことがある人なら、割ととっつきやすいのではないでしょうか。

VPSで仮想通貨の自動売買botを動かす前の準備

VPSでbotを動かす前の準備

VPSで自動売買botを動かす前に、まずはこの3つの準備をします。

  1. 仮想通貨の自動売買botを作る
  2. VPSを選ぶ
  3. VPSを設定する

一つずつ、簡単に解説です。

仮想通貨の自動売買botを作る

まず最初に、肝心の仮想通貨の自動売買botを作っておく必要があります。

まだ作っていない場合は、自動売買botの作り方の記事を参考にしてみてください。

コピペして、少し修正するだけですぐに動かせるようになります。

VPSを選ぶ

続いて、使うVPSを選びます。オススメのVPSはこの2つ。

理由は単純で、サポート情報が多いか、値段が安いか、の2択です。

さくらのVPSは、ネットに情報がたくさん溢れているので、何か困ったことがあってもググればほぼ解決します。VPSを使うのが初めてで不安な方にオススメ。

WebARENAは、とにかく値段が安いのが魅力です。ただ、ググってもあまり情報が多くないので、ある程度VPSとかサーバーの扱い方が分かっている人向け。

ちなみに、2つのコストの違いは以下の通りです。(両方ともに本記事執筆時点の価格)

  • さくらのVPS:月額643円
  • WebARENA:月額349円

2つの差額は294円なので、ほぼ誤差の範囲とも言えますね。自動売買botを動かす分には、どちらのVPSでも違いはないです。

サポート情報の充実を優先するならさくらのVPS、コストを優先するならWebARENA、という感じで選択すればオッケーです。

VPSを設定する

VPSをセットアップする

ここで紹介した2つのVPS、設定方法も簡単に説明しておきます。

さくらのVPSの設定方法

さくらのVPSの設定方法は、こちらの公式ブログの記事がとても参考になります。

以下のような情報が、わざわざここで改めてまとめ直す必要もないくらい丁寧に解説されています。

  • さくらのVPSの申込方法
  • VPSへのログイン方法
  • 各種設定

さらに、関連シリーズの記事をぜんぶ読めば、VPSも含めサーバーの全般知識までも勉強できちゃいます。

さくらのVPSは、やっぱりサポート情報が充実していますね。

WebARENAの設定方法

続いて、WebANRENA。こちらはググってもあまり設定方法が出てこないので、画像付きで簡単に手順を説明しておきます。

大きく分けると、手順は2ステップ。

  • SSH鍵を作成する
  • SSH鍵を使ってインスタンスを作る

一つずつ手順を追ってみます。

まず最初に、WebARENA Indigoのトップページから申し込み。一番安いプランでOKです。

WebARENA Indigoの申込画面

申し込みが終わったら、TOPページのコントロールパネルのタブをクリックしてログイン。

WebARENA Indigoのコントロールパネルのタブをクリック

左メニューにあるインスタンス管理から、SSH鍵を選択。

WebARENA IndigoのSSH鍵メニューをクリック

画面の右上にあるSSH鍵の作成ボタンをクリック。

WebARENA IndigoのSSH鍵の作成ボタンをクリック

SSH鍵の作成画面が出てくるので、SSH-keyとか適当に名前をつけて作成ボタンをクリック。

WebARENA IndigoのSSH鍵の名前をつけて作成ボタンをクリック

作成ボタンを押すと、同時にprivate-key.txtというファイルが自動でダウンロードされます。このファイルは大事に取っておいてください。

続いて、そのSSH鍵を使ってサーバーのインスタンスを作ります。左メニューにあるインスタンス管理から、インスタンスを選択。

WebARENA Indigoのインスタンスメニューをクリック

そして、右上にあるインスタンスの作成ボタンをクリック。

WebARENA Indigoのインスタンス作成ボタンをクリック

さらに、インスタンスのスペックを選択。画像では以下の最小スペックを指定しています。

  • イメージの選択:centOS7.5
  • サイズの選択:最小スペック
  • SSH鍵の選択:先ほど作ったSSH鍵

WebARENA Indigoのインスタンスのスペックを選択する

画面最下部のインスタンス作成ボタンをクリックしてしばらく待つと、OSがインストールされてIPアドレスも割り当てられます。

最後に、インスタンス管理画面からインスタンスを起動すれば準備完了です!

WebARENA Indigoのインスタンスを起動する

VPSで仮想通貨の自動売買botを動かす方法

VPSでbotを動かす

それでは、VPSで自動売買botを動かしていきましょう。

さくらのVPSでも、WebARENAでも、この時点でこの2つの情報が揃っているはずです。

  1. 自動売買botプログラムのファイル
  2. VPSのIPアドレス

この2つを活用して、大まかに以下のステップで進めていきます。

  1. VPSにSSHで接続する
  2. 自動売買botのプログラムをVPSに転送する
  3. VPS上で自動売買botを走らせる

ここではWebARENAのVPSを想定した手順で一つずつ説明していきますが、さくらのVPSでもやることはほとんど同じです。

VPSにSSHで接続する

まず、Macでターミナルを立ち上げます。Windowsならコマンドプロンプトですね。

そして、以下のコマンドを打ち込んでSSH接続のための準備をしていきます。

cd ~     # ホームフォルダに移動
mkdir .ssh     # .sshフォルダを作成
chmod 700 .ssh     # .sshフォルダのパーミッション修正
mv ~/Downloads/private_key.txt ~/.ssh     # private_key.txt を.sshフォルダに移動
chmod 600 ~/.ssh/private_key.txt     # private_key.txt のパーミッション修正

では、VPSに接続してみましょう。WebARENAのガイドページより、以下がデフォルトで設定されています。

  • ホスト名:インスタンスのIPアドレス
  • ユーザ名:centos
  • パスフレーズ:なし
  • ポート番号:22
  • 鍵:SSHの秘密鍵(private_key.txt)

この情報にしたがって、以下の通りSSHコマンドで接続します。IPアドレスは書き換えてください。

ssh -p 22 centos@111.222.333.444 -i ~/.ssh/private_key.txt

さくらのVPSを使っている場合は、root権限が与えられているはずなのでユーザー名はrootでオッケーです。

VPSにインストールしたOSをアップデートする

無事にSSH接続ができたら、次はVPSにインストールしてあるcentOSをアップデートします。

sudo su -     # ルート権限、さくらのVPSの場合はすでにルート権限なので不要
yum update     # OSをアップデート

yum update をした後、Is this ok? と聞かれるので、y と入力してエンター。

すると、ターミナル上で何やら大量の文字が出てきてアップデートが始まるので、Complete と出るまで待ちます。

VPSにPython3をインストールする

自動売買botを動かすために、Python3もインストールしておきましょう。

コマンドは以下の通り。簡単ですね。

yum install python3 -y

インストールが終わったら、以下のコマンドでPythonのバージョンを確認。

python3 -V

Python 3.X.X とバージョンが3以上になっていればオッケー。あとは、自動売買botに必要になるライブラリもインストールしておきます。

自動売買botの作り方の記事を参考に作った場合は、以下のコマンドで必要なライブラリをインストールしてください。

pip3 install --upgrade pip     # pip3そのものをアップグレード
pip3 install --user pandas     # pandasライブラリをインストール
pip3 install --user requests     # requestsライブラリをインストール

VPSへ自動売買botプログラムを転送する

続いて、VPSに自動売買botのプログラムを転送します。

この作業は、VPSにSSH接続したターミナルとは別のターミナルを開いて行ってください。

自動売買botのプログラムを入れたフォルダ名が、例えば crypto-bot だとすると、コマンドは以下の通りになります。

scp -P 22 -i ~/.ssh/private_key.txt -r crypto-bot centos@111.222.333.444:~/

パッと見ると長くて難しそう?なコマンドですが、やってることは以下の通り超シンプルです。

  1. ポート番号が22で
  2. SSH鍵(private_key.txt)を指定して
  3. -rオプションでcrypto-botフォルダ丸ごとを
  4. VPS(IPアドレス)のユーザーcentosのホーム(~)に転送

なお、WebARENAの場合、デフォルトで作成されるユーザー名がcentosなので上記のようなコマンドとなります。

さくらのVPSを使っている場合は、新規ユーザーを作っていればそのユーザー名に、特に作っていなければrootに読み替えてみてください。

VPS上で仮想通貨の自動売買botを動かす

ようやく、最後のステップ。あとはVPS上で仮想通貨の自動売買botを動かすだけ。

SSH接続したターミナルで、以下のコマンドで起動してみましょう。

cd crypto-bot     # 自動売買botプログラムのフォルダに移動
nohup python3 main.py &     # botプログラムを起動

botプログラムを起動するコマンドで、頭に nohup、最後に & をつけていますが、それぞれ意味があります。

  • nohup:SSH接続中のターミナルを終了しても動かし続ける
  • & :バックグラウンドで実行

こうやって起動することで、VPSとのSSH接続を切ってログアウトしても、自動売買botはVPSで動き続けます。

VPSで動いている自動売買botを終了したいとき

念のため、自動売買botを終了させる手順も解説しておきます。

最初に以下のコマンドで、VPS上で現在動いているプロセスのステータスを表示します。

ps -x

すると、現在実行中のプロセスがリストで表示されます。

そのリスト中に python3 main.py というプロセスが走っているはずなので、そのPIDをチェックしましょう。

PIDが1234だとすると、以下のコマンドで終了できます。

kill 1234

番外編:Windows Serverで自動売買botを動かす

あなた

あなた
「サーバーOSとか難しそうだからイヤだな。もっと簡単な方法ってないの?」

そんなあなたには、さくらのVPS for Windows Serverがオススメです。

Windows Serverっていう名前の通り、そのまんまWindowsを使うのと同じ感覚で自動売買botを動かすことができます。

  1. Windowsの画面を操作して
  2. Pythonの実行環境を作って
  3. 自動売買botを動かす

普段から使い慣れているパソコンの手順と同じなので、超簡単ですね。Pythonの実行環境も、Anacondaをインストールすればすぐに準備できちゃいます。

Anacondaって何?
-> 簡単にPythonを利用できる環境を構築するためのプラットフォーム。
引用:Python Japan

唯一のデメリットは、普通のVPSよりも月額が少し高くなること。

例えば、さくらのVPSの場合、普通のVPSの月額は643円ですが、Windows Serverの月額は1,100円になります。

…とはいえ、なんだかんだその差額は457円。自動売買の利益ですぐにカバーできそうなコストでもありますね。

手っ取り早く自動売買botを動かし始めたい!っていうあなたは、Windows Serverを選んでしまうのもありです。

さくらのVPS for Windows Serverを使ってみる

VPSは仮想通貨の自動売買bot以外にも使いこなそう

データセンター

本記事では、仮想通貨の自動売買botをVPSで動かす方法を解説しました。

ここでは、できる限りシンプルに解説できるようになるべく簡潔な手順にしてあります。

ポート番号を変えたり、root権限でのログインを禁止したり、セキュリティ面は必要に応じてアップデートしてみてくださいね。

仮想通貨の自動売買bot以外にも、積立投資にだって応用可能です。VPSを使いこなしていろんなことにトライしちゃいましょう!